女性は男性よりも平均寿命が長く、老後が長い傾向にあります。
また、40代・50代の独身女性は今、年々増加しています。
ところが多くの人は、こんな悩みや不安を抱えています。
- 自分が亡くなったあと、誰が役所の手続きをするの?
- お葬式は?納骨は?お墓は?
- 飼っているペットの面倒はどうなるの?
- 遺品整理や家の片づけは誰がするの?
- そもそも「孤独死」って本当に大丈夫?
そんな不安を解消するのが、今注目されている「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」です。
死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約は、兄弟や親戚がいても、頼れない、頼りたくないという人におすすめです。
◆亡くなった後の“雑務”をあらかじめお願いしておく契約
「死後事務委任契約」とは、自分が亡くなった後の事務手続き(いわゆる“死後の片づけ”)を信頼できる人に依頼する契約です。
次のような内容が含まれます:
- 死亡届の提出や役所への手続き
- 通夜・葬儀・火葬・納骨の手配
- 病院・施設の清算・退去手続き
- ペットの引き渡しや保護依頼
- SNS・ネットサービスの解約やアカウント削除
- 公共料金や携帯電話の解約
- 家の明け渡し・遺品整理 など
◆遺言とは何が違うの?
死後事務委任契約 | 遺言 | |
---|---|---|
対象 | 死後の「事務的な手続き」 | 遺産の分配(法的手続き) |
依頼できる人 | 誰でも(専門家、友人、NPOなど) | 相続人や第三者 |
法的効力 | 契約に基づく委任関係 | 民法に基づく法的効力あり |
手続き | 公正証書で作成するのが一般的 | 公正証書 or 自筆遺言 |
⇒ 遺言だけではカバーできない「死後の実務」を補うのが死後事務委任契約です。
死後事務委任契約でできること(具体例)
亡くなった後の事務処理
- 死亡届の提出や火葬の手配
- 住民票や保険証などの返却
- 健康保険・年金などの手続き
身の回りの整理
- 家の片づけ、不要品の処分
- 賃貸物件の明け渡し、清掃
- 公共料金・カード・ネットの解約
ペットの引き渡し・供養
- 預け先や里親に渡す手配
- 引き取り手がいない場合の保護団体への依頼
遺品整理・デジタル終活
- SNSやネット銀行のアカウント削除
- 写真や日記などの整理・供養
- 遺言内容の実行サポート(必要に応じて)
なぜ40代の今から準備しておくべきなの?

「終活」や「死後のこと」は、つい後回しにしがちです。
でも、突然の事故や病気、孤独死は誰にでも起こり得るもの。
むしろ判断能力がしっかりしている元気な今こそが、備えるタイミングなのです。
特に40代は、親も高齢になり、頼れる人が限られてくる時期。
ペットを飼っている人も多く、「自分が死んだあとどうなるのか」は重大なテーマです。
誰にお願いすればいいの?選び方と注意点

◆信頼できる第三者に依頼しよう
- 司法書士・行政書士などの専門家
- 生前契約を受け付けているNPO法人や信頼できる団体
- 遠縁の親族や仲のいい友人(ただしトラブル防止のためには、専門家に依頼することが無難)
ポイント:報酬や手数料も明確に契約書に記載しておくことが大切です。
おすすめの専門家・団体リスト

① 【行政書士】
おすすめポイント:
法的に有効な契約書を作成でき、死後事務の実務サポートも得意。
こんな人におすすめ:
- 契約書をしっかり作りたい
- 死後の事務だけでなく、生前対策(任意後見など)も検討中
探し方:
「〇〇市 死後事務委任 行政書士」で検索すると地域密着型の事務所が見つかります。
また、日本行政書士会連合会のサイトで検索もできます。
⇒ 日本行政書士会連合会
② 【司法書士】
おすすめポイント:
遺言や相続、成年後見など“財産まわり”に強い。遺品整理などの手配も可能な事務所あり。
こんな人におすすめ:
- 不動産などの資産もある
- 任意後見・財産管理契約も検討中
- 終活をトータルサポートしてほしい
探し方:
日本司法書士会連合会の検索ページから全国の事務所を探せます
⇒ 日本司法書士会連合会
③ 【NPO法人・一般社団法人(終活支援団体)】
おすすめポイント:
専門家と連携しながら、リーズナブルな費用でサポートしてくれる。身寄りのない人の支援にも実績あり。
こんな人におすすめ:
- 家族や頼れる親族がいない
- 経済的に専門家報酬が不安
- 継続的に寄り添ってくれる存在がほしい
例:
- 一般社団法人エンディング支援センター
- 一般社団法人おひとりさま安心協議会
- NPO法人らしさサポート(地域密着型)
※「終活支援 死後事務委任 NPO」などで地域名付きで検索すると、身近な団体が見つかります。
④ 【民間の信託・見守りサービス付きの葬儀会社】
最近では、葬儀+死後事務+遺品整理+ペットの引き取りなどをセットにした民間サービスも増えています。
こんな人におすすめ:
- ワンストップで全部任せたい
- 生活支援も含めたトータルケアが必要
- 最後まで誰かとつながっていたい
例:
- 小さなお葬式「おひとりさま終活プラン」
- 鎌倉新書「いい相続」「いい見守り」
- おひとりさま終活サポート協会
◆選ぶときのチェックポイント
- 契約書は公正証書にしてくれるか
- 費用が明確で、見積もりが事前に出るか
- 死後の対応内容が具体的に説明されているか
- 対応エリアは?緊急時対応は?
- 継続的なサポートや連絡体制があるか
初回相談は無料の事務所や団体も多くあります。
一人で悩まず、まずは1つでも問い合わせてみることが大切です。
複数の専門家を比較するのも◎!
死後事務委任契約の流れ

- 依頼内容を整理する
→ どんなことをお願いしたいかリストアップしましょう。 - 誰に依頼するかを決める
→ 専門家に相談するのがおすすめです。 - 契約書を作成(公正証書)
→ 公証役場で作成し、確実な法的効力をもたせる - 財産管理の契約とセットにするケースも多い
→ 任意後見契約や死後の財産管理契約と組み合わせるとさらに安心
費用はどれくらいかかる?
目安として:
内容 | 費用の目安 |
---|---|
公正証書作成費用 | 2〜5万円程度 |
専門家への報酬 | 5〜20万円程度(内容による) |
死後の実費 | 葬儀・遺品整理等の実費が別途必要 |
費用はお願いする内容とボリュームによって変わるため、事前見積もりが大切です。
死後事務委任契約は「人生の最期まで自分で決める」ためのツール

「誰かに迷惑をかけたくない」
「自分の死後も、自分らしく終わりたい」
「“おひとりさま”だからこそ、きちんと準備したい」
そんな思いをもつ40代独身女性にとって、死後事務委任契約は、人生の安心を守るお守りのような存在です。
まとめ|いざという時、あなたの“想い”をカタチにする準備を。
- 死後事務委任契約は、家族がいなくても「自分らしい最期」を実現できる制度
- 元気な40代の今だからこそ、冷静に・前向きに準備できる
- 契約は専門家に相談すれば安心!まずは無料相談から始めてみましょう