映画化されて話題になった「遺書、公開。」
原作漫画のネタバレ考察してみました!
「遺書、公開。」とは?
- タイトル:遺書、公開。
- ジャンル:サスペンス
- 著者:陽東太郎
- 出版社:スクウェア・エニックス
- 発売日:2017年9月22日 – 2022年1月21日
- 巻数:全9巻
「遺書、公開。」のネタバレあらすじ
※注意:ネタバレ有
舞台は灰嶺中学校。
新学期、2年D組の生徒たちの元に「2-D序列」と題された、クラス全員のスクールカースト順位が書かれたメールが届きます。
序列の下位にいる生徒は、上位の生徒に話しかけにくく、教室には不穏な空気が漂います。
それでも、序列1位の姫山椿のおかげで、表面上は平穏な学校生活が続いていました。
しかしある日突然、姫山椿は校内で自ら命を絶ってしまいます。
翌日、クラスメイトたちが教室に入ると、全員の机の上に彼女からの「遺書」が置かれていました。
「本当に自殺だったのか?」
「もしそうなら、その原因は何だったのか?」
明るく、みんなから好かれていたはずの姫山椿の死に、クラスは混乱します。
やがて「全員で遺書の内容を公開しよう」ということになり、ひとりずつ自分宛ての遺書を読み上げていきます。
読み進めるうちに、それぞれの矛盾や嫉妬、誤解が浮かび上がります。
「そんなこと言ってなかった」
「姫山が自殺したのは、お前のせいでは?」
疑いの目がクラス中に広がり、教室の空気は徐々に悪くなっていきます。
やがて、ある結論にたどり着きます。
彼女を追い詰めたのは、クラス全員だったのではないか、と。
しかし、まだ謎は残ります。
では、この「遺書」を置いたのは誰なのか?
犯人は誰?
犯人は、廿日市くるみでした。
廿日市くるみは人間観察が趣味でした。
「2-D序列」を作ったのも、遺書を書いたのも、廿日市くるみです。
姫山椿は生前、ブログに悩みや心情を書き残していました。
遺書は、廿日市くるみがそのブログを元に書いたものでした。
廿日市くるみは語ります。
姫山椿が1位になりたがっていたこと。
1位なんだから勉強ができて当然と期待される重圧。
1位だから友達になりたい、恋人になりたいと近づいてくるクラスメイト。
1位と呼ばれ続けたプレッシャー。
1位は自由ではなく、それでも1位でい続けなければならない。
そんな矛盾の中で、姫山椿の心は壊れてしまった、と。
序列を作った者、1位に全てを押し付けた者、相談を無視した担任・・
クラス全員が反省し、事件は一応の決着を迎えたかに見えました。
姫山椿の自殺の真相は?
しかし、姫山椿の幼馴染である池永柊夜は廿日市くるみを呼び出し、さらなる真相を追求します。
廿日市くるみは、姫山椿の父親も自殺していた、と告白します。
姫山椿の父親は完璧で、「1位」のような存在だったのです。
つまり、姫山椿は「自分も1位になることで、父親が自殺した気持ちを理解できるのではないか」と考えたのではないか。
池永柊夜はそれに納得し、話はここで終わりました。
しかし、廿日市くるみは、姫山椿を1位にすることで、自殺する可能性があることも理解していました。
姫山椿は父親に完璧さを求めていました。
その期待に応え、完璧であろうとした父親は結果として自ら命を絶ってしまいました。
姫山椿は父親と同じ「1位」の立場に立ち、この辛い状況を自分が父親に与えてしまったのではないか、父親の自殺の原因は自分ではないかと気づき、そして自ら命を絶ったのです。
そして、物語のラスト。
すべてが終わったかのように思えた翌日、教室には「新しい序列」が掲示されていました。
廿日市くるみは「知らない」と言いながらも、ほくそ笑みます。
「これだから人間観察はやめられない。これからも見守らせてね」
そう心の声を漏らすところで、物語は幕を閉じます。
「遺書、公開。」はどこで読める?
「遺書、公開。」は、いくつかの漫画アプリで読むことができます。
「遺書、公開。」まとめ
陰からクラスをコントロールして、支配したかった廿日市くるみ。
恐ろしいですね・・・
