独特な絵のタッチが不気味さを際立たせている「僕が死ぬだけの百物語」
ユウマが最終回にどうなるかもSNSで話題になっていましたね!
今日は、あらすじまとめと、ネタバレ考察してみました!
「僕が死ぬだけの百物語」とは?
- タイトル:僕が死ぬだけの百物語
- ジャンル:ホラー
- 著者:的野アンジ
- 出版社:小学館
- 発売日:2020年12月25日
- 巻数:全10巻
「僕が死ぬだけの百物語」のあらすじは?
「僕が死ぬだけの百物語」は、小学生のユウマが主人公の物語です。
物語はオムニバス形式で1話完結。
幼少期に母親を亡くし、父や義母のもとで孤独や虐待を受けながら育ったユウマは、学校や家庭での絶望から自殺を考えます。
しかし、同級生のヒナに止められ、百物語を語ることを勧められます。
「百物語をすべて語り終えたら本物の幽霊が現れる」というヒナの言葉を聞き、ユウマは夜な夜な怪談を語り始めました・・・
「僕が死ぬだけの百物語」のネタバレ考察
※注意:ネタバレ有
ヒナは、ユウマが校舎から飛び降りようとするのを見て、生きる希望を持ってもらうために「百物語をすべて語り終えたら、本物の幽霊が現れる」と言いました。
その言葉を聞いたユウマは、亡くなった母に会うために、母の遺影に向かって毎晩怪談を語るようになります。
そのため、物語では読者の目線は母の遺影から見たユウマという構図で描かれます。
ユウマには父と父の再婚相手である義母がいましたが、日常的に虐待を受けていました。
毎晩怪談を語るうちに、次第に怪奇現象が現れ始めます。
義母の手に突然鉛筆が刺さったり、ユウマの持つぬいぐるみ「ウマキン」に怪異が宿るなど、不可解な出来事が続きます。
やがて、虐待に気付いた刑事の高柳も、怪異の影響に巻き込まれて命を落とします。
また、百物語や怪異の存在に気づいた警視庁の木戸も、呪いにより命を落とします。
父と義母も、怪異によって次々と命を奪われました。
母の霊は恐ろしい怪異となってしまい、ヒナに憑依します。
ユウマは「ヒナの魂を犠牲にすれば母と再び暮らせる」ことを知ります。
しかしユウマはヒナを傷つけることができず、母と一緒の場所へ旅立つ決断をします。
ユウマは「百物語」の怪異の一部となってしまいました。
物語の結末では、ユウマが去った後もヒナはユウマを忘れられず、今度はヒナがユウマの写真に向かって百物語を始めます。
こうして、新たな物語の幕が開かれました・・
物語を通して描かれるテーマは、ただのホラー怪談ではなく、死と再会、孤独とつながり、語ることの儀式性、喪失の傷と救済です。
ユウマは、死んだ母と再会したいという強い思いから、「百物語」を通して死後の世界とつながろうとします。
なので、ユウマにとって死を選ぶことは、単なる現実からの逃避ではなく、「救済」であり、母と再び会えるという「希望」に直結しているのです。
また、ユウマも「百物語」の一部となってしまったことで、この儀式は語り継がれている伝統的な儀式だということが分かります。
「僕が死ぬだけの百物語」まとめ
私の好きな回は、第8夜「喧嘩」、第17夜「捨て子」、第47夜「二人乗り」、第56夜「許さない」など・・
怖いけど切ない話も多いですね。
個人的には、好みの終わり方でした。
